第68回診療放射線技師国家試験を解説#PM31~35

午後 問31

甲状腺中毒症となっている時期に甲状腺の123Iの集積がびまん性に増加するのはどれか。

  1. 亜急性甲状腺炎 
  2. 無痛性甲状腺炎 
  3. 外因性甲状腺中毒症 
  4. Basedow〈バセドウ〉病 
  5. Plummer〈プランマー〉病 

解説

亜急性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎は集積しない。
外因性甲状腺中毒症は外因による甲状腺ホルモンの過剰摂取による中毒症であるため集積は低下する。
バセドウ病はびまん性に集積する。
プランマー病は結節に強く集積する。

答え 4

午後 問32

肝胆道シンチグラフィで正しいのはどれか。

  1. 99mTc-GSAを使用する。 
  2. 投与後15分以内で撮影が完了する。 
  3. 心臓と肝臓のカウント比を計測する。 
  4. 乳児肝炎と胆道閉鎖症の鑑別に使用する。 
  5. 酸刺激に対する放射性医薬品の排泄を評価する。 

解説

  • 99mTc-PMTを使用する
  • 投与後1時間程度で撮影が完了する
  • 肝受容体シンチグラフィ(99mTc-GSA)で心臓と肝臓のカウント比を計測する
  • 唾液腺シンチグラフィ(99mTcO4)で酸刺激に対する放射性医薬品の排泄を評価する

答え 4

午後 問33

腎臓の核医学検査で正しいのはどれか。 

  1. 腎動態シンチグラフィでは側面像で解析する。 
  2. 99mTc – DTPAシンチグラフィでは腎血漿流量を算出できる。 
  3. 99mTc – DMSAシンチグラフィは腎瘢痕の評価に有用である。 
  4. 腎動態シンチグラフィの検査前に患者の水分摂取を制限する。 
  5. 99mTc – DMSAシンチグラフィは腎機能が低下している患者には禁忌である。 

解説

  • 腎動態シンチグラフィでは後面像で解析する
  • 99mTc – MAG3シンチグラフィでは腎血漿流量を算出できる
  • 99mTc – DTPAシンチグラフィでは糸球体濾過量を算出できる
  • 腎動態シンチグラフィの検査前に患者に飲水を促す
  • 99mTc – DMSAシンチグラフィは腎機能が低下している患者に可能

答え 3

午後 問34

18F-FDGの集積性が低いのはどれか。 

  1. 大腸癌 
  2. 悪性黒色腫 
  3. 悪性リンパ腫 
  4. 頭頸部扁平上皮癌 
  5. 高分化型肝細胞癌 

解説

腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌、気管支肺胞型腺癌(高分化型肺腺癌)、高分化型肝細胞癌などではFDG集積が乏しい

答え 5

午後 問35

病期診断にTNM分類が用いられるのはどれか。2つ選べ。 

  1. 脳腫瘍 
  2. 舌癌 
  3. 食道癌 
  4. 多発性骨髄腫 
  5. 悪性リンパ腫 

解説

脳腫瘍・悪性リンパ腫はTNM分類を用いない
多発性骨髄腫はR-ISS分類が用いられる

答え 2,3

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