第70回診療放射線技師国家試験を解説#PM96~100

午後 問96

国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007年勧告における被ばく状況、被ばく分類および適応される線量規制値の組合せで正しいのはどれか。

    被ばく状況     被ばく分類    線量規制値

  1. 緊急時被ばく状況     公衆被ばく     線量限度
  2. 緊急時被ばく状況     職業被ばく     参考レベル
  3. 現存被ばく状況      医療被ばく     線量拘束値
  4. 現存被ばく状況      公衆被ばく     線量限度
  5. 現存被ばく状況      職業被ばく     参考レベル

解説

緊急時被ばくは放射線施設での事故において、消防や汚染防止などの緊急時作業に従事する者が受ける被ばくで、職業被ばくの場合は参考レベルが適応される

現存被ばく状況は事故などの非常事態が収束する過程で、被ばく線量が平常時の公衆の線量限度より高い状態が定着し、さらなる線量低減に長期間を要する状態で、公衆の防護活動の目安とする参考レベルを用いる

答え 2

午後 問97

放射線障害防止法が規定する放射性同位元素による汚染状況の測定場所について正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 管理区域の境界
  2. 事業所等の境界
  3. 廃棄作業室
  4. 廃棄物貯蔵施設
  5. 廃棄物詰替施設

解説

放射線の量の測定にあっては、使用施設、廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設、管理区域の境界、事業所等内において人が居住する区域及び事業所等の境界である

放射性同位元素による汚染の状況の測定にあっては、作業室、廃棄作業室、汚染検査室、排気設備の排気口、排気監視設備のある場所、排水設備の排水口、排水監視設備のある場所及び管理区域の境界である

答え 1,3

午後 問98

固体廃棄物処理で正しいのはどれか。

  1. 破砕、圧縮等の前処理を行う。
  2. 濡れた可燃物はそのまま処理する。
  3. バイアルの中の残液は残しておく。
  4. 注射針など感染の恐れのある物は滅菌する。
  5. ヘパフィルタとプレフィルタはまとめて梱包する。

解説

  • 破砕、圧縮等の前処理は必要ない
  • 濡れた可燃物は乾燥等の処理が必要
  • バイアルの中の残液は拭き取ってから廃棄する
  • ヘパフィルタとプレフィルタ等の材質が違うものは別々に廃棄する

答え 4

午後 問99

臓器吸収線量が同一のとき、等価線量が最も高い組合せはどれか。
ただし、放射線加重係数および組織加重係数は国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007年勧告の値とする。

  1. α粒子           脳
  2. 電子         
  3. 光子          乳房
  4. 陽子          結腸
  5. 荷電パイ中間子     生殖腺

解説

等価線量の高さは組織加重係数と関係しなく、放射線加重係数によって決まる
放射線荷重係数:光子・電子:1 、陽子:2 、α粒子:20 、中性子:2.5~20

答え 1

午後 問100

内部被ばく防護の3D2Cの原則に含まれないのはどれか。

  1. 集中化
  2. 除去
  3. 閉じ込め
  4. 濃縮
  5. 分散

解説

  • Dilute:希釈(溶媒や担体の添加による)
  • Disperse:分散(換気)
  • Decontaminate:除去(フードの使用)
  • Contain:閉じこめ(容器へ収納、グローブボックス等の 使用)
  • Concentrate:集中(線源の保管)

答え 4

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