もくじ
午前 問66
LQモデルを用いた分割照射の評価で正しいのはどれか。
- 1回線量1Gy以下で有効である。
- 照射間隔は24時間で一定とする。
- 比較する時には総治療期間の差を補正する。
- α/βが小さいほど1回線量の影響が小さい。
- α/βが大きいほど線量分割による影響が大きい。
解説
- 1回線量2Gy程度
- 照射間隔は6時間程度
- α/βが小さいほど1回線量の影響が大きい
- α/βが大きいほど線量分割による影響が小さい
答え 3
午前 問67
放射線被ばくによる急性死で正しいのはどれか。
- 骨髄死は被ばく後1〜2日で起きる。
- 腸管死は骨髄死より少ない線量で起きる。
- 中枢神経死は10Gyの全身被ばくで起きる。
- 骨髄死は白血球や血小板の減少による感染症や出血による。
- 中枢神経死をもたらす病態の回復には造血幹細胞移植が有効である。
解説
- 骨髄死は照射後感染と出血が起こり7~60日目にかけて死亡する
- 腸管死は10~50Gy、骨髄死は2~10Gy、中枢神経死は100Gy以上
- 造血幹細胞移植は骨髄死に関する障害に有効
答え 4
午前 問68
放射線治療における生物学的効果について正しいのどれか。
- 線量率は放射線感受性に影響しない。
- 組織内の温度は放射線感受性に影響しない。
- 組織内の酸素分圧が低いほど放射線感受性は高くなる。
- 粘膜上皮細胞の放射線感受性は細胞周期に依存しない。
- 低LET放射線では高LET放射線より亜致死損傷からの回復が大きい。
解説
- 低線量率、低温、低酸素で放射線感受性は低くなる
- 放射線感受性はG2期~M期、G1期~S期初期で高くなる
答え 5
午前 問69
5GyのX線を2回、2〜3時間の間隔をあけて照射すると、間隔をあけなかった場合よりも細胞の生存率は上昇するが、間隔を5〜6時間にすると再び生存率が低下することがある。
この現象を説明するのに最も適切なのはどれか。
- Repair(回復)
- Rebound(逆戻り)
- Repopulation(再増殖)
- Redistribution(再分布)
- Reoxygenation(再酸素化)
解説
放射線治療の4R
回復(Recovery)
正常細胞はがん細胞よりも早く修復されることを利用し、正常細胞への影響を抑えつつがん細胞を死滅させる分割照射をおこなう。
再分布(Redistribution)
細胞分裂のG1期からS期にかけてと、G2期からM期にかけての時期は放射線による影響を受けやすい。分割照射をおこなうと、当初は放射線抵抗性であった S期後半の細胞が感受性が高い G2/M期に分布するようになる。
再増殖(Repopulation)
回復力はは正常組織の方が腫瘍組織より大きく、照射後には幹細胞が回復し、休止していた細胞分裂が再開する。
再酸素化(Reoxygenation)
大きな腫瘍では腫瘍の表面が照射によって縮小されていくと、それまで届いていなかった中心部に血管が伸び、がん細胞内の酸素の供給量が増える。これにより、酸素分圧が低くて放射線抵抗性であった中心部の細胞は酸素化され放射線感受性が高くなる。
答え 4
午前 問70
光子について正しいのはどれか。
- 質量を持つ。
- 電荷を持つ。
- 運動量を持つ。
- 静止エネルギーを持つ。
- 伝播速度は媒質によらず一定である。
解説
- 質量を持たない
- 電荷を持たない
- 静止エネルギーを持たない
- 伝播速度は媒質によって変化する(真空中では常に光速)
答え 3