第71回診療放射線技師国家試験を解説#PM1~5

午後 問1

標識化合物と合成法の組合せで正しいのはどれか。

  1. 3H 標識化合物      Wilzbach〈ウイルツバッハ〉法
  2. 14C 標識化合物    クロラミン-T法
  3. 18F 標識化合物     Bolton-Hunter〈ボルトン・ハンター〉法
  4. 99mTc 標識化合物    生合成法
  5. 125I 標識化合物    スズ還元法

解説

  • 3Hの標識法:ウイルツバッハ法
  • 14Cの標識法:グリニャール反応、生合成法
  • 99mTcの標識法:スズ還元法
  • 放射性ヨウ素の標識法
    • 直接法:クロラミン-T法、ラクトパーオキシダーゼ法、ヨードゲン法
    • 間接法:ボルトン・ハンター法

答え 1

午後 問2

ある放射性溶液に131Iが 60kBq、Na123I が 30kBq、131IO2が 10kBq含まれていた。131Iの放射性核種純度はどれか。

  1. 50%
  2. 60%
  3. 70%
  4. 86%
  5. 100%

解説

放射性核種純度とは全体の放射能のうちの目的放射性核種の放射能割合である。
全放射能が100kBqで、そのうち131Iは70kBqとなる。

放射化学的純度(全体の放射能のうちの指定の標的化合物の放射能割合)と間違えないよう注意!

答え 3

午後 問3

放射性標識化合物の分解で正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 放射線分解は比放射能に依存しない。
  2. α線は β線よりも放射線分解を起こしやすい。
  3. ラジカルが生成されると放射線分解が抑制される。
  4. 小分けして保存することで放射線分解を低減できる。
  5. 低温で保存するよりも常温で保存する方が放射線分解は起こりにくい。

解説

放射線分解を低減させるために
・比放射能を小さくする
・少量ずつに小分けする
・低温で保存する
・ラジカルが生成されると放射線分解がおこりやすい → ラジカルスカベンジャーを加える

分解のおこりやすさ: α線 > β線 > γ線

答え 2,4

午後 問4

放射分析法で正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 加速器による放射化を利用する。
  2. 放射滴定法は間接法に分類される。
  3. 短半減期核種で標識された化合物に有用である。
  4. 直接法は分析試料と標識化合物の反応で生成した沈殿物の放射能を測定する。
  5. 分析試料と標識化合物の反応によって沈殿物が生成されなくても分析可能である。

解説

正解は3つあります。

  • 放射分析法
    • 直接法:沈殿物の放射能から試料中の目的物質の定量
    • 間接法:上澄液の放射能から試料中の目的物質の定量
  • 放射滴定法:2種類の溶液の混合比を少しずつ滴定法にて変えながら上澄液の放射能を測定

放射能の時間的変化が大きい短半減期核種は放射分析法に適さない

答え 2,4,5

午後 問5

共振形インバータ方式の基本原理図を示す。
管電圧のフィードバック制御を行う箇所はどれか。

  1. AC – DCコンバータ
  2. 平滑化回路
  3. インバータ
  4. 共振回路
  5. 整流回路

解説

答え 3

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA