第69回診療放射線技師国家試験を解説#AM1~5

午前 問1

サイクロトロンを利用して製造される核種はどれか。2つ選べ

  1. 90Sr
  2. 99Mo
  3. 111In
  4. 137Cs
  5. 201Tl

解説

  • 90Sr:ウランやプルトニウムの核分裂生成
  • 99Mo:原子炉内の核分裂生成、中性子放射化法
  • 111In:サイクロトロンによる生成
  • 137Cs:ウランやプルトニウムの核分裂生成
  • 201Tl:サイクロトロンによる生成

答え 3,5

午前 問2

放射性核種の分離法で正しいのはどれか。

  1. 溶媒抽出法では担体を利用する。
  2. 共沈法では分配比の違いを利用する。
  3. イオン交換法では分布係数の違いを利用する。
  4. ペーパークロマトグラフィでは反跳効果を利用する。
  5. Szilard-Chalmers〈ジラード・チャルマー〉法ではRf値の違いを利用する。

解説

  • 共沈法では担体を利用する
  • 溶媒抽出法では分配比の違いを利用する
  • ジラード・チャルマー法では反跳効果を利用する
  • ペーパークロマトグラフィではRf値の違いを利用する

答え 3

午前 問3

クロマトグラフィで正しいのはどれか。

  1. ペーパークロマトグラフィはカラムを用いる。
  2. イオン交換クロマトグラフィはカラムを用いる。
  3. ガスクロマトグラフィは固定相にガスを用いる。
  4. 薄層クロマトグラフィは移動相にガスを用いる。
  5. イオン交換クロマトグラフィは昇華性を利用する。

解説

  • ペーパークロマトグラフィはカラムを用いない
  • ガスクロマトグラフィは固定相カラムを用いる
  • 薄層クロマトグラフィは移動相に溶媒を用いる
  • イオン交換クロマトグラフィは電荷の違いを利用する

答え 2

午前 問4

3H標識化合物の合成法で正しいのはどれか。

  1. クロラミンT法
  2. ペーパーディスク法
  3. ラクトパーオキシダーゼ法
  4. Wilzbach〈ウイルツバッハ〉法
  5. Bolton-Hunter〈ボルトン・ハンター〉法

解説

  • クロラミンT法:放射性ヨウ素を蛋白質に標識
  • ペーパーディスク法:抗菌物質に対する感受性・耐性の確認、抗菌物質の効力を評価
  • ラクトパーオキシダーゼ法:125Iを蛋白質に標識
  • ウイルツバッハ法:3Hガスと有機化合物とを密封して同位体交換反応により標識
  • ボルトン・ハンター法:放射性ヨウ素を蛋白質に標識

答え 4

午前 問5

管電流の大きさによって焦点寸法が変化する現象はどれか。

  1. heel〈ヒール〉効果
  2. Hall〈ホール〉効果
  3. stem〈ステム〉効果
  4. Peltier〈ペルチェ〉効果
  5. blooming〈ブルーミング〉効果

解説

  • ヒール効果:陽極側のX線強度が減弱される現象
  • ステム効果:電離箱に接続されたケーブルやコネクターを X 線に曝すと、その部分がX線に対して感度を持つ
  • ブルーミング効果:管電流の大きさによって焦点寸法が変化する現象

答え 5

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