診療放射線技師国家試験で問われやすい要点をまとめています。誤字・脱字・修正点などありましたらコメントやTwitterにてご指摘いただけると幸いです。
他にもまとめた国試要点があるので下記ページからどうぞ
もくじ
重粒子線治療
- 高エネルギーほど深部でブラッグピークを形成するため、癌病巣に狙いを定めた照射が容易で周囲の正常組織への影響が少なくなる
- RBEがX線や陽子線の2~3倍であるためX線に抵抗のある癌にも有効
中性子線治療
ホウ素中性子捕捉療法
- 増感効果のあるホウ素薬剤を注射により腫瘍細胞に集積させ中性子を照射することで、正常細胞への障害を抑えながら目的腫瘍へのみ大きな線量を照射できる
- 10B (n、α) 7Li反応を利用
手術の補助的照射
術前照射
手術中に散らばる可能性のある癌細胞をできるだけ死滅させておくことや、できるだけ手術部位の癌を小さくして手術をしやすくする
直腸がん・食道がん・子宮頸がん・下咽頭がん・喉頭がん・肺がん・膀胱がんなど
術後照射
- 手術で切除しきれずに残った癌細胞を死滅させ、再発の可能性を下げる
- リンパ節転移への予防照射
術中照射
- 手術によって患部を露出し、1回大線量の電子線照射をおこなう
- ツーブス(照射筒)や側視鏡を用いる
- ツーブス(照射筒)や側視鏡に収まらない大きな腫瘍は適応外となる
放射線感受性が低く大線量の照射が必要な腫瘍(脳腫瘍)や腫瘍周囲に感受性の高い組織が存在する腫瘍(膵がん,胃がん)などが対象
緊急照射
気道閉塞・上大静脈症候群・転移性脊髄圧迫症で適応
分割照射
通常分割照射
- 一般的には1回2Gyの放射線を週5回、6週間にわたり照射し、総線量は40~60Gyとなる
- 早期有害事象は治療後に消失することがほとんどだが、晩期有害事象は難治性であることが多く、注意しなければならない
- 治療期間が延長すると放射線抵抗性の細胞の再増殖がおこる
多分割照射
1回の照射量を少なくして分割回数を多くして総線量を多くし、治療期間を等しくする照射法
小細胞肺がんや中咽頭がんに適応される
加速分割照射
1回の照射量を等しくして分割回数を多くして総線量を等しくし、治療期間を短くする照射法
早期有害事象が増加する
加速多分割照射
1回の照射量を少なくして分割回数を多くして総線量を等しくし、治療期間を短くする照射法
早期有害事象の低減を目的とする