放射線から正しく身を守る【放射線防護の3原則】

 今回は放射線から身を守るためにはどうすればよいのか、3つのポイントについてのお話です。

放射線防護の3原則

 放射線防護は「時間」「遮へい」「距離」の3つの方法があります。

 放射線に曝される「時間」が短いほど被ばく線量は低減されます。また、放射線源を遮るような「遮へい」物を利用することで被ばく線量は低減できます。

 そして、放射線源から「距離」をとることで被ばく線量を低減できるのですが、意外とこの「距離」について理解していない方が病院職員にも多くいると感じたので詳しく解説します。

距離の逆二乗則

 放射線は線源から距離をとればとるほど被ばく低減ができます。下の図を見てください。

 環境省から引用させて頂いたのですが、図のような三角錐で放射線が照射されていると考えてみてください。線源からの距離が2倍になると、被ばくを受ける面積は4倍となります。同様に3倍の距離では9倍の面積になるのがわかります。面積Aを基準に考えると、距離をとるほどに放射線は分散されて1/4、1/9と線量は減っていきます。この被ばく低減の理論が「距離の逆二乗則」と言われ、図の左の式によって表されます。放射線の種類によっては距離による減衰も起こるので、更に被ばく量を低減できます。

 病院内の日常でこの法則がよく使われるのがポータブル撮影です。一般的に2メートル以上の距離があれば被ばくの影響は無いといわれています。同室の患者様や業務中の看護師等には理解をしてもらうためにも覚えておくとよいです。

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