【2020年】放射線技師を目指すのはアリか?現役放射線技師が考察する

 漫画「ラジエーションハウス」のドラマ化により診療放射線技師という職業を知った方も多いと思います。中には診療放射線技師を目指す学生もいるのではないでしょうか。
 今回は診療放射線技師の仕事内容・給料・就職状況などのお話をしていこうと思います。

診療放射線技師ってどんな仕事?

 そもそも診療放射線技師とは国家資格により放射線を利用した医療行為をおこなう職業です。レントゲン撮影(一般撮影)CT核医学検査放射線治療などは放射線を利用しているので診療放射線技師が検査や治療をおこないます。また、放射線を利用しないMRI超音波検査(エコー検査)も診療放射線技師がおこなうことが多いです。
 ただ、検査自体はやり方さえ覚えれば誰にでもできるような簡単なものが多いです。私は診療放射線技師の重要な業務は検査以外に2つあると思っています。

 ひとつは被ばくの管理です。診療放射線技師は被ばくの最適化を考慮しなければなりません。極力被ばくを抑えながら診断に効果的な検査をおこなうために、放射線に関する知識を持っていなければなりません。

 もうひとつは読影補助です。診療放射線技師が病名の診断をつけることはできませんが、画像から疑われる所見を担当医師にアドバイスをする「読影補助」をすることができます。
 検査画像を一番多く見ているのは我々診療放射線技師です。自然と画像読影の力が身についていくので、医師から画像に関する相談を受けることも多く、患者の治療に関わっている実感があります。

診療放射線技師に適した人材とは?

 診療放射線技師は基本的に健康でない患者様の相手をする職業なので思いやりが重要だと思っています。様々な患者がいるので、正直な話をすると接しづらい方も多いです。患者に対する思いやりがないと、つらい仕事であるのは間違いないと思います。

 また、診療放射線技師の仕事は3Kといわれている「きつい」・「汚い」・「臭い」仕事であると言えるかもしれません。患者の介助の必要があり、体力の必要な仕事であります。また、救急で搬送されてくる患者の中には出血・嘔吐・失禁されている方も珍しくないので、苦手な方には向いていない職業かもしれません。

 しかし、診療放射線技師をしていると知っていただくと尊敬されることも多く、医師からも頼りにされるので、誇りある職業だと思っています。

診療放射線技師の給料は?

 診療放射線技師の平均年収は500万円程度といわれています。ただし、これは全年齢の診療放射線技師による平均なので就職直後は就職場所にもよりますが月に18~30万程度だと思われます。

診療放射線技師は就職難?

 ネットで調べてみると診療放射線技師は飽和状態で就職難であると書かれているのを見ます。昔は女性診療放射線技師はどこの病院も必要としていて就職に困らない時期がありましたが、現在は女性も同様に就職難であるという記事も見かけました。
 少し前まで診療放射線技師の需要が高まっていたので引く手数多でありましたが、需要が満ちてきたことは否定できません。病院の募集理由が定年による離職者の補充もよく見かけますが、昔は診療放射線技師の数が少なかったので定年近い診療放射線技師も少なく、離職率もそこまで高い職業でないので人員補充による募集はあまり期待できないです。ですので、自分の働きたい病院が毎年募集をかけていることは無いと思ったほうがいいです。
 しかし、私としては診療放射線技師はまだまだ就職難にはなっていないと思います。様々な病院の近況を同じ診療放射線技師から聞く機会がありましたが、業務拡大などにより人員不足な状況にある病院は多いと感じました。ですので、まだまだ新規診療放射線技師を欲する病院は多いと思います。
 就職希望の病院が資格を習得した年に募集していない可能性はありますが、募集自体は様々な病院・クリニックから現在も出ています。就職希望の病院を複数考えておくことで一つは希望に合った病院の募集を見つけられると思います。

まとめ

 医療技術は日々向上し、その技術を扱うための若い人材は今後も必要になると思います。就職後も学べることは多く、新しい技術もどんどん出てくるので、仕事をしていて日々楽しく感じます。医療や機械に興味のある方は診療放射線技師の道を考えてみてください。

 もし、興味があれば漫画などで詳しく知ることもできます。医療現場・診療放射線技師を描いた作品を以前に紹介していますので下記記事から御覧ください。

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