第68回診療放射線技師国家試験を解説#PM71~75

午後 問71

制動X線で正しいのはどれか。 

  1. 第1半価層は第2半価層より厚い。 
  2. 実効エネルギーは線質表示に用いられる。 
  3. 最短波長はターゲットの原子番号で決まる。 
  4. 発生効率はターゲットの原子番号に反比例する。 
  5. エネルギー分布はMoseley〈モーズレー〉の法則に従う。 

解説

  • 制動X線は透過の過程で線質が硬くなり透過力が上がる為、第1半価層は第2半価層より薄い
  • 最短波長は管電圧を高くするほど短くなる(λmin=1.24/V)
  • 発生効率はターゲットの原子番号に比例する(η=kZV)
  • モーズレーの法則は特性X線の周波数の平方根が原子番号にほぼ比例する法則(√ν = K(Z-s))

答え 2

午後 問72

光子と物質との相互作用で正しいのはどれか。 

  1. 電子対生成のしきいエネルギーは1.022MeVである。 
  2. 電子対生成で生じる電子と陽電子の運動エネルギーは等しい。 
  3. 三電子生成のしきいエネルギーは1.533MeVである。 
  4. 三電子生成では1個の電子と2個の陽電子が生成される。 
  5. 三電子生成は原子核のCoulomb〈クーロン〉場との相互作用によって起きる。 

解説

  • 電子対生成で生じる電子と陽電子の運動エネルギーの配分は一定ではない 
  • 三電子生成のしきいエネルギーは2.044MeV
  • 三電子生成では2個の電子と1個の陽電子が生成される
  • 三電子生成は軌道電子のクーロン場との相互作用によって起きる

答え 1

午後 問73

重荷電粒子と物質との相互作用で正しいのはどれか。 

  1. α線はβ線より比電離が小さい。 
  2. 衝突阻止能は速度の二乗に比例する。 
  3. 衝突損失能より放射損失能が大きい。 
  4. 空気中での比電離は飛程中一定である。 
  5. 速度が光速を超えるとCherenkov〈チェレンコフ〉光を発する。 

解説

  • α線はβ線より比電離が大きい
  • 衝突阻止能は速度の二乗に反比例する
  • 重荷電粒子の放射損失能は荷電粒子の質量が大きいため無視できる
  • 空気中での比電離は飛程中一定である。 

答え 5

午後 問74

核磁気共鳴現象において、90度RFパルス印加後に300msで縦磁化が50%まで回復する組織の縦緩和時間[ms]はどれか。 
ただし、loge2=0.693とする。 

  1. 111 
  2. 150 
  3. 189 
  4. 433 
  5. 600 

解説

0.5 = e-300/T
loge2 = 300/T

答え 4

午後 問75

磁束密度の単位で正しいのはどれか。2つ選べ。 

  1. Wb 
  2. A・m-1 
  3. Wb・m-2 
  4. N・A-1 
  5. N・A-1・m-1 

解説

磁束密度は磁場の強さH[A/m]に透磁率μ[N/A2]を掛けたもの

B = A/m × N/A2 = N・A-1・m-1

また、[A/m] = [N/Wb]であるため、N・A-1・m-1 = Wb・m-2

答え 3,5

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