第68回診療放射線技師国家試験を解説#PM81~85

午後 問81

ある放射性試料の計数は5分間測定で800カウント、バックグラウンドが10分間測定で400カウントであった。 
正味計数率[cpm]とその標準偏差はどれか。 

  1. 120 ± 3 
  2. 120 ± 6 
  3. 120 ± 12 
  4. 160 ± 15 
  5. 160 ± 18 

解説

800/5 – 400/10 ± √(800/52 + 400/102)

答え 2

午後 問82

電離箱線量計を用いた高エネルギーX線の線量計測で必要ない補正項目はどれか。 

  1. 温度 
  2. 極性効果 
  3. 線量率依存性 
  4. イオン再結合 
  5. エネルギー依存性 

解説

標準計測法12における水吸収線量

kQは線質変換係数(エネルギー依存性の補正)、kTPは温度気圧補正係数、kelecは電位計校正定数、kpolは極性効果補正係数、ksはイオン再結合補正係数

答え 3

午後 問83

1.37及び2.75MeVのγ線を放出する24Naのエネルギースペクトルを測定した結果、0.51MeVにピークが観測された。 
このピークを説明する現象はどれか。 

  1. 後方散乱 
  2. 制動放射 
  3. 干渉性散乱 
  4. 電子対生成 
  5. コンプトン散乱 

解説

0.51MeVのピークは、電子対生成により発生した陽電子と電子の対消滅によって生成されるガンマ線のエネルギーに対応する

答え 4

午後 問84

X線撮影における解剖学的説明で正しいのはどれか。 

  1. 肋骨弓の下縁は第3腰椎の高さにある。 
  2. 体を左右に二分する面を冠状面という。 
  3. 乳様突起はOMラインよりも頭側に位置する。 
  4. 四肢を体の正中線に近づける動きを外転という。 
  5. 第4足趾と踵骨先端を結ぶ線は足部を撮影する際の基準線となる。 

解説

  • 体を左右に二分する面を矢状面という
  • 乳様突起はOMラインよりも尾側に位置する
  • 四肢を体の正中線に近づける動きを内転という
  • 第2足趾と踵骨先端を結ぶ線は足部を撮影する際の基準線となる

答え 1

午後 問85

血管造影検査における術者の被ばくで正しいのはどれか。2つ選べ。 

  1. プロテクタの内側と外側に線量計を装着する。 
  2. 実効線量限度は1年間につき100mSvである。 
  3. 甲状腺を防護するためにネックガードを装着する。 
  4. 患者の体格が大きくなるほど術者の被ばくは減る。 
  5. 被ばくの第1要因はX線管からの漏洩X線である。 

解説

  • 実効線量限度は5年間につき100mSv1年間につき50mSvである
  • 患者の体格が大きくなるほど術者の被ばくは増える
  • 被ばくの第1要因は患者からの散乱線である

答え 1,3

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