第70回診療放射線技師国家試験を解説＃PM71～75

午後　問71

エネルギーが線スペクトルを示すのはどれか。

1. β⁺線
2. β^–線
3. 対生成の陽電子
4. Auger〈オージェ〉電子
5. Compton〈コンプトン〉電子

解説

線スペクトル：α線、γ線、オージェ電子、特性X線、内部転換電子、光電効果
連続スペクトル：β⁺線、β^–線、コンプトン電子、制動放射線、核分裂片エネルギー

答え　4

午後　問72

光子エネルギーに対する水の質量減弱係数の関係を図に示す。
0.45MeVの細い光子ビームが厚さ10cmの水を通過したときの一次線透過率に最も近いのはどれか。
ただし、e=2.7とする。

1. 0.10
2. 0.37
3. 0.50
4. 0.60
5. 0.69

解説

グラフより0.45MeVのときの質量減弱係数は0.1cm²g^-1であることから水を通過するときの線減弱係数は0.1cm^-1となる
2.7^-0.1×10 ≒ 0.37

答え　2

午後　問73

質量衝突阻止能が最も大きいのはどれか。

1. 1MeVのα線
2. 2MeVのα線
3. 2MeVの炭素線
4. 10MeVの陽子線
5. 20MeVの陽子線

解説

S_col ∝ z² / v² ∝ z²m / E
zはα線が2、炭素線が6、陽子線が1となる

答え　3

午後　問74

超音波の性質で正しいのはどれか。

1. 生体内を主に縦波で伝播する。
2. 水中での音速は1,000m･s^-1である。
3. 周波数が高くなるほど回折が顕著になる。
4. 音響インピーダンスは媒質の密度に反比例する。
5. 周波数が高くなるほど媒質中での減衰は小さくなる。

解説

1. 水中での音速は1,540m･s^-1である。
2. 周波数が低くなるほど回折が顕著になる
3. 音響インピーダンスは媒質の密度に比例する
4. 周波数が高くなるほど媒質中での減衰は大きくなる

答え　1

午後　問75

電荷、電界および電位で正しいのはどれか。

1. 正電荷QからQ本の電気力線が出る。
2. 電位差は電荷量当たりの仕事量で表す。
3. コンデンサの電荷は電位差に反比例する。
4. 平等電界中の電位差は距離に反比例する。
5. 点電荷によるある点の電界強度は距離に比例する。

解説

• 正電荷QからQ/ε本の電気力線が出る
• コンデンサの電荷は電位差に比例する
• 平等電界中の電位差は距離に比例する
• 点電荷によるある点の電界強度は距離に反比例する

答え　2