第71回診療放射線技師国家試験を解説#AM16~20

午前 問16

脳の TOF〈time-of-flight〉MRAで脳実質の信号を抑制するのに併用されるのはどれか。

  1. IR〈inversion recovery〉パルス
  2. DE〈driven equilibrium〉パルス
  3. MT〈magnetization transfer〉パルス
  4. MPG〈motion probing gradient〉パルス
  5. CHESS〈chemical shift selective〉パルス

解説

覚える必要があるとは思えない難問だが、MTパルスはTOF法で使うことだけは知っておいた方がいいかも

IRパルス(180°パルス):IR法で用いる
DEパルス:90°-180°-90°の連続したパルスを印加してT2強調を高める
MPGパルス:拡散強調画像のパルス系列の前に印加するの大きな傾斜磁場
CHESSパルス:CHESS法で用いる

答え 3

午前 問17

MRIにおいて SARの増大に関係するのはどれか。

  1. エコー時間
  2. 視野サイズ
  3. スライス数
  4. スライス選択傾斜磁場
  5. 位相エンコード傾斜磁場

解説

SAR ∝(電気伝導度 × 磁場強度の2乗 × 半径の2乗 × フリップ角の2乗 × スライス数 × RFパルス時間)/(密度 × 繰り返し時間)

答え 3

午前 問18

脳出血の MR像で T1強調像と T2強調像の両方で高信号となるのはどれか。

  1. ヘモジデリン
  2. オキシヘモグロビン
  3. デオキシヘモグロビン
  4. 赤血球内メトヘモグロビン
  5. 赤血球外メトヘモグロビン

解説

ヘモグロビン転化T1強調画像T2強調画像
超急性期オキシヘモグロビン等信号等信号
急性期デオキシヘモグロビン等~低信号低信号
亜急性期メトヘモグロビン高信号低信号
1週間~1ヶ月フリーメトヘモグロビン高信号高信号
慢性期ヘモジデリン等~低信号低信号
陳旧性期脳浮腫等~低信号高信号

答え 5

午前 問19

MRIのトランケーションアーチファクトで正しいのはどれか。

  1. スライス間隔が狭い場合に発生しやすい。
  2. 収集マトリックスを大きくすると軽減する。
  3. 静磁場の局所不均一性による位相エラーで発生する。
  4. 同じボクセル内に水と脂肪が同量存在する場合に大きくなる。
  5. 撮影領域の範囲外にあるものが画像領域に入り込むことによって生じる。

解説

トランケーションアーチファクト(打ち切りアーチファクト)
 フーリエ変換時に信号強度の急激な変化がある部分でさざ波状に現れる
 位相エンコード方向に現れる

対策
 位相エンコード数を増やす
 FOVを縮小、マトリックス数を増やす(空間分解能を向上させる)
 サンプリング時間を長くする
 バンド幅を小さくする

答え 2

午前 問20

女性骨盤 MRIの T2強調矢状断像を示す。
正しい組合せはどれか。

  1.    第5腰椎
  2.    小腸
  3.    肛門
  4.    子宮頸部
  5.    大陰唇

解説

ア:仙骨、ウ:子宮筋層、エ:S状結腸、オ:恥骨

答え 2

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