第72回診療放射線技師国家試験を解説#PM21~25

午後 問21

MRI の撮影法で BOLD〈blood oxygenation level dependent〉効果に最も鋭敏なのはどれか。

  1. EPI
  2. FLAIR
  3. FSE
  4. SE
  5. STIR

解説

  • BOLD効果:血液中の赤血球には酸素を運ぶヘモグロビンが多量にあり、このヘモグロビンは酸素分子を結合している時には反磁性、毛細管で酸素を放出した後(デオキシヘモグロビン)では常磁性になる。常磁性体は磁場をゆがめるため、周りのプロトンからの信号を低下させる。
  • fMRI(functional MRI):BOLD効果を利用した脳機能を画像化する撮影法。主にEPI法を用いる。

答え 1

午後 問22

脳卒中の急性期に撮影された頭部 MRI の拡散強調像を示す。
矢印の高信号が反映している病態として正しいのはどれか。

  1. 血液の貯留
  2. 血管原性浮腫
  3. 細胞障害性(細胞毒性)浮腫
  4. 脳室の拡大
  5. 脳の萎縮

解説

拡散強調画像にて高信号になる病態として脳梗塞・脳腫瘍・細胞障害性浮腫などがある

答え 3

午後 問23

 MR 像を示す。
正しいのはどれか。

  1. Aは子宮である。
  2. T1強調像である。
  3. Bは大転子である。
  4. 大腿骨頭は両側とも正常である。
  5. 脂肪抑制パルスが付加されている。

解説

  • 膀胱や関節の水成分が高信号なのでT2強調画像である
  • Bは小転子、外側が大転子となる
  • 右大腿骨頭に低信号領域を認める
  • 皮下脂肪が高信号であるため脂肪抑制はされていない

答え 1

午後 問24

 脳のファンクショナル MRI で正しいのはどれか。

  1. 造影剤を使用する。
  2. データ取得に FSE 法を用いる。
  3. データ処理に最大値投影法を用いる。
  4. 運動野を描出するために光刺激を行う。
  5. 神経の活動に伴う血流変化を画像化している。

解説

  • fMRIのメリットとして造影剤を使用せず撮像できる
  • データ取得にEPI法を用いる
  • 運動野を描出するために手掌握運動をおこなう

答え 5

午後 問25

脳 SPECT 像を示す。
使用された放射性医薬品はどれか。

  1. 99mTc – ECD
  2. 99mTc – HMPAO
  3. 123I – IMP
  4. 123I – イオフルパン
  5. 123I – イオマゼニル

解説

画像はダットスキャン(DATイメージング)と呼び、線条体におけるドパミントランスポーター(DAT)の分布を可視化することでパーキンソン症候群の早期診断や、レビー小体型認知症の診断精度の向上を助ける。イオフルパンを静注し撮像する。

答え 4

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