以前に頭部MRIの画像の種類を紹介しましたが、その種類の多さから撮影の優先順位について我々は考えなければなりません。特にMRIは時間を使う検査であるために重要な撮影は最初の方に撮影しておくのが望ましいです。
撮影の順番は医療施設によってやや異なる場合がありますが、今回は私が撮影時に意識している撮影目的別に優先度の高い撮影を解説していきます。
目的別撮影順位
脳梗塞を疑う場合
片側の麻痺や痺れが起こると脳梗塞が疑われます。吐き気を催す場合もあり、迅速な撮影が必要だったりします。
脳梗塞を判別するのにDWIは有用で、およそ1分弱で撮影できることもあり一番に撮影するのが良いです。これで脳梗塞を診断できれば、以降の撮影を中断して薬を処方することもあります。
くも膜下出血を疑う場合
稀にCTでも判別がしづらい微小なくも膜下出血があり、MRIで精査となる場合があります。
くも膜下出血はFLAIRを撮影すると、くも膜に高信号で描出されますので優先的に撮影するのが良いです。また、くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂により起こることが多いのでMRAも撮影すると良いと思います。
まとめ
細かくシチュエーションを考えるともっと解説できるパターンはあると思いますが、医療施設によって違いが多いと思うので、今回は救急でよく撮影されるパターンで解説をしました。これはどの医療施設でもほぼ同じだと思うので、ぜひ覚えておいてください。