今回は高齢者に多い4つの骨折についてです。過去に国家試験で問われていた記憶があるので(勘違いかもしれませんが…)、解説していきます。
高齢者に多い4つの骨折
高齢になるほど歩行や立っていることが困難になってきます。そうなると転倒や尻もちが多くなり、高齢に伴う骨粗鬆症も合わさって骨折が多くなります。
腰椎圧迫骨折
多くの患者を診て一番多いと感じたのは「腰椎圧迫骨折」です。主に尻もちにより起こる骨折ですが、骨粗鬆症により普段の動作中でも起こることがあり「いつのまにか骨折」とも言われます。
高齢者に対し、基本的には手術はおこないません。
大腿骨近位部骨折
「腰椎圧迫骨折」の次に多いと感じるのが「大腿骨近位部骨折」です。転倒により起こり、股関節部分に激しい痛みを感じて歩行困難になります。骨折を機に体を動かすことが減り、認知症の進行が早まることも多いです。
手術は再度歩行可能の見込みがあるか、歩行ができなくても痛みを和らげる効果を期待できるか等で適応するか決まります。
上腕骨近位部骨折・橈骨遠位端骨折
「上腕骨近位部骨折」は転倒時に肩を強打し骨折となる場合が多いです。「橈骨遠位端骨折」は転倒時に手をついて骨折となる場合が多いです。
どちらもよく見る骨折です。統計的にどちらが多いか分かりませんが、実感としては「橈骨遠位端骨折」の方がやや多いと思います。
どちらの骨折も大掛かりな手術とはなりませんので、高齢の場合でも手術することが多いです。
骨折を防ぐために若いうちから骨粗鬆症対策を!
毎年人間ドックを受けている方なら「骨密度検査」はしていると思います。結果を参照し、同年代より低い方は早めの骨粗鬆症対策をすることをオススメします。骨粗鬆症対策は多くあり、調べるとすぐに出てくると思うので興味があればどうぞ。