第71回診療放射線技師国家試験を解説#PM31~35

午後 問31

健常成人で67Ga – クエン酸ガリウム投与 72時間後像で描出される頻度が最も低いのはどれか。

  1. 涙腺
  2. 肝臓
  3. 膵臓
  4. 脾臓
  5. 唾液腺

解説

67Ga – クエン酸ガリウム
 腫瘍や炎症の診断に使用される
 生理的集積部位は涙腺・鼻腔・唾液腺・肝臓・脾臓・骨髄など

答え 3

午後 問32

SPECT が PET より優れている点はどれか。2つ選べ

  1. 定量性が高い。
  2. 空間分解能が高い。
  3. 減弱補正が容易である。
  4. 2核種同時収集が可能である。
  5. 検査室の遮へいが容易である。

解説

  • PETでは2核種同時収集がおこなえない
  • SPECTでは主に低エネルギーγ線が利用されるので遮蔽が容易である
  • PETは検査室と操作室は分ける必要がある

答え 4,5

午後 問33

PET で誤っているのはどれか。

  1. 68Ge – 68Ga は減弱補正用の外部線源として用いられる。
  2. 陽電子の飛程が長い方が得られる画像の空間分解能は高い。
  3. 数え落としがないとすると真の同時計数は放射能濃度に比例する。
  4. 同時計数には真の同時計数、偶発同時計数および散乱同時計数がある。
  5. 多数の結晶に複数の光電子増倍管を配列したブロック検出器が最も用いられている。

解説

PETでは体内で集積した核種から放出された陽電子によって発生する消滅γ線を計測しているので、陽電子の飛程が長くなるほど空間分解能は低くなる

答え 2

午後 問34

分化型甲状腺癌の遠隔転移巣に選択性が高いのはどれか。

  1. 18F – FDG
  2. 67Ga – クエン酸ガリウム
  3. 99mTc – PMT
  4. 131I – ヨウ化ナトリウム
  5. 201Tl – 塩化タリウム

解説

甲状腺シンチグラフィ(Na123I、99mTcO4)は甲状腺機能や腫瘍の診断に利用されるのは知っているでしょうが、甲状腺癌転移の検出にも有用であることを覚えておきましょう

答え 4

午後 問35

転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いのはどれか。

  1. 胃癌
  2. 肺癌
  3. 子宮癌
  4. 大腸癌
  5. 前立腺癌

解説

どこのがんからでも脳に転移する可能性はあるが、原発巣として最も多い部位がで、続いて乳房、消化器系となる

答え 2

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