第73回診療放射線技師国家試験を解説#AM6~10

午前 問6

X線管の管電流で正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 小焦点ほど空間電荷は多くなる。
  2. 空間電荷電流は管電圧の2乗に比例する。
  3. 空間電荷制限領域の管電流は陰極温度に関係しない。
  4. エミッション特性とは管電圧とフィラメント電流の関係をいう。
  5. 空間電荷制限領域では管電圧が低いほど大きな電流を選択できる。

解説

  • 空間電荷電流は管電圧の3/2乗に比例する( I ∝ V3/2/ d2
  • エミッション特性とは管電流とフィラメント電流の関係をいう
  • 空間電荷制限領域では管電圧が高いほど大きな電流を選択できる

答え 1,3

午前 問7

インバータ式X線装置のインバータ周波数を高くしたとき、誤っているのはどれか。

  1. 誘起起電力が高くなる。
  2. 高電圧変圧器が小型化できる。
  3. 高電圧変圧器の鉄損が小さくなる。
  4. 管電圧のリプル百分率が小さくなる。
  5. 電磁エネルギーが発生しやすくなる。

解説

インバータ周波数を高くしたとき

  • 管電圧リプル百分率が小さくなる
  • 鉄心の断面積を小さくできる
  • 鉄損(ヒステリシス損)は増大し、電力変換効率は低下する

答え 3

午前 問8

CR装置について誤っているのはどれか。

  1. 階調処理により変換特性を任意に制御できる。
  2. 輝尽励起光のエネルギーは輝尽発光より大きい。
  3. 輝尽性蛍光プレートの有効発光時間は2〜3μsである。
  4. 輝尽性蛍光プレートの最頻発光波長は約400nmである。
  5. 非鮮鋭マスク処理により必要な周波数帯域を強調できる。

解説

輝尽励起光:約650nm
輝尽発光:約400nm

答え 2

午前 問9

X線管焦点皮膚間距離を15cm以上20cm未満とすることができる撮影用X線装置はどれか。2つ選べ

  1. X 線CT装置
  2. 移動形・携帯形X線装置
  3. 歯科用パノラマ断層撮影装置
  4. 乳房用X線装置(拡大撮影時)
  5. 定格70kVを超える口内法撮影用X線装置

解説

移動形・携帯形X線装置:20cm以上
乳房用X線装置(拡大撮影時):20cm以上
定格70kVを超える口内法撮影用X線装置:20cm以上

答え 1,3

午前 問10

MRIの画質について正しいのはどれか。

  1. 信号収集時間は画質とは無関係である。
  2. SN比はボクセル容積とは無関係である。
  3. 静磁場強度が高いほどSN比は高くなる。
  4. 静磁場の均一性は画質とは無関係である。
  5. ハーフフーリエ法を用いるとSN比は高くなる。

解説

  • 画質を向上すると信号収集時間は長くなる
  • ボクセル容積が大きいとSN比も大きくなる
  • 静磁場の均一性が悪いと画質は悪化する場合がある
  • ハーフフーリエ法は60%程度を実測データで充填、あとは計算によりデータ充填を行うためSN比が低くなる要因となる

答え 3

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