第70回診療放射線技師国家試験を解説#AM16~20

午前 問16

拡散強調像について誤っているのはどれか。

  1. 見かけの拡散係数が得られる。
  2. b値はMPGパルスの間隔を示す。
  3. 急性期脳梗塞の診断に用いられる。
  4. 撮影には一般的にEPI法が用いられる。
  5. 組織の水分子のブラウン運動の大きさを画像化する。

解説

b値とは拡散度合いを示す指標
b値 = γ2G2δ2(Δ – δ / 3)
γ:磁気回転比、G:MPGの大きさ、δ:MPG印加時間、Δ:MPGの始まりから始まりの間隔

答え 2

午前 問17

TOF法MRAで血管内の信号低下の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ

  1. 渦流
  2. 栓流
  3. 層流
  4. 乱流
  5. 定常流

解説

血流の乱れによって信号低下がおこりやすい

答え 1,4

午前 問18

MRIのアーチファクトで正しいのはどれか。

  1. マジックアングルアーチファクトはT2強調像で強く現れる。
  2. 化学シフトアーチファクトは静磁場強度が高いほど大きくなる。
  3. 折り返しアーチファクトはスライスを厚くすることで回避できる。
  4. モーションアーチファクトはインターリーブ法によって抑制できる。
  5. エヌハーフアーチファクトは信号のデータ収集を打ち切ることで生じる。

解説

  • マジックアングルアーチファクトはTEの短いシーケンス(T1強調像)で強く現れる
  • 折り返しアーチファクトはFOVを大きくすることで回避できる
  • クロストークアーチファクトはインターリーブ法によって抑制できる
  • エヌハーフアーチファクトはEPIで発生するアーチファクトで渦電流や磁場の不均一性で生じる

答え 2

午前 問19

脳白質神経路の走行を推定するのに用いられるのはどれか。

  1. ASL〈arterial spin labeling〉
  2. BOLD〈blood oxygenation level dependent〉
  3. DTI〈diffusion tensor imaging〉
  4. MRA〈magnetic resonance angiography〉
  5. VBM〈voxel-based morphometry〉

解説

  • ASL:脳灌流画像
  • BOLD:fMRI(脳機能画像)
  • DTI:脳神経線維画像
  • MRA:脳血流画像
  • VBM:脳形態画像

答え 3

午前 問20

乳腺専用コイルを使用して撮影した同一断面のMR像を示す。正しいのはどれか。

  1. AはT2強調像である。
  2. 仰臥位での撮影である。
  3. 位相方向は左右方向である。
  4. Bは脂肪抑制T1強調像である。
  5. Cは脂肪抑制T2強調像である。

解説

  • Aは脂肪が高信号なのでT1強調像
  • Bは乳腺が高信号で脂肪が低信号なのでT2脂肪抑制画像
  • Cは心臓や血管内の血液が高信号なので造影剤を使用したT1脂肪抑制画像
  • 乳房MRIは基本的に腹臥位での撮影

答え 3

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA