第68回診療放射線技師国家試験を解説#AM66~70

午前 問66

増殖中の細胞への放射線照射後、最も早期に生じるのはどれか。 

  1. 間期死 
  2. 増殖死 
  3. 突然変異 
  4. 分裂遅延 
  5. アポトーシス 

解説

細胞周期が一旦止まり、修復がおこなわれる。
被ばく線量が高くなるにつれて、分裂遅延の時間が長くなる。

答え 4

午前 問67

放射線感受性が2番目に高いのはどれか。 

  1. 膠芽腫 
  2. 甲状腺未分化癌 
  3. 小細胞肺癌 
  4. 胃癌 
  5. 悪性リンパ腫 

解説

基本的に高感受性の細胞は腫瘍も感受性が高い
悪性リンパ腫 > 小細胞肺癌 > 甲状腺未分化癌 > 膠芽腫 > 胃癌

答え 3

午前 問68

X線による放射線治療でBergonié-Tribondeau〈ベルゴニエ・トリボンドー〉の法則を考慮し設定すべきなのはどれか。 

  1. 線量 
  2. 固定具 
  3. 臨床標的体積 
  4. 計画標的体積 
  5. X 線のエネルギー 

解説

ベルゴニー・トリボンドーの法則
・細胞分裂の頻度の高いものほど、放射線感受性が高い
・将来、長期にわたって細胞分裂を続けるものほど、放射線感受性が高い
・形態的に、機能的に未分化なものほど、放射線感受性が高い

選択肢からは線量を抑えることで影響を下げることができる

答え 1

午前 問69

放射線治療において、長期に照射を休止した場合の治療効果の低下に最も関連が深いのはどれか。 

  1. 再酸素化 
  2. 加速再増殖 
  3. 組織内壊死 
  4. 細胞周期の再分布 
  5. 亜致死障害からの回復 

解説

放射線治療の長期休止は腫瘍の再増殖が起こる
再酸素化、再増殖、回復は放射線照射後に起こる変化

答え 2

午前 問70

光子の物理的特性で正しいのはどれか。 

  1. 運動量は0である。 
  2. 直接電離放射線である。 
  3. 粒子性と波動性を有する。 
  4. エネルギーは振動数に反比例する。 
  5. 伝播速度は媒質によらず一定である。 

解説

  • 光子の質量は0、運動量はh/λ
  • 間接電離放射線である
  • エネルギーは振動数に比例する
  • 伝播速度は媒質によって変化する

答え 3

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA