第68回診療放射線技師国家試験を解説#AM96~100

午前 問96

国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007年勧告の医療被ばくにおける診断参考レベルで正しいのはどれか。 

  1. 各施設が独自に設定する。 
  2. 放射線治療には適用しない。 
  3. 被ばくの正当化を目的とする。 
  4. 患者個人の線量拘束値である。 
  5. 診断参考レベルを超えて被ばくさせてはならない。 

解説

  • 医療機関の調査によって設定される 
  • ”診断”参考レベルなので、放射線治療には適用しない
  • 被ばくの最適化を目的とする
  • 必要とあれば超えた線量の使用も可能で、患者個人の線量拘束値とはならない

答え 2

午前 問97

法令とその規制対象の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 

  1. 医療法            照射録への署名 
  2. 電波法            MRI装置の使用許可 
  3. 労働安全衛生法        労働者の健康診断 
  4. 診療放射線技師法       エックス線装置の設置届 
  5. 放射線障害防止法       エックス線診療室の構造設備 

解説

  1. 診療放射線技師法       照射録への署名 
  2. 医療法            エックス線装置の設置届 
  3. 医療法            エックス線診療室の構造設備 

答え 2,3

午前 問98

蛍光ガラス線量計の特性で正しいのはどれか。2つ選べ。 

  1. 繰り返し測定が可能である。 
  2. 検出下限値は1mSvである。 
  3. 長期間の積算線量が測定できる。 
  4. 蛍光ガラス素子はGaイオンを含有する。 
  5. ガラスを赤外線で刺激することによって蛍光を発する。 

解説

  • 検出下限値は0.01mSvである
  • 蛍光ガラス素子はAgイオンを含有する
  • ガラスを紫外線で刺激することによって蛍光を発する

答え 1,3

午前 問99

表面汚染の管理で正しいのはどれか。2つ選べ。 

  1. γ線放出核種の表面密度限度は4Bq/cm2である。 
  2. β線放出核種の表面密度限度は40Bq/cm2である。 
  3. β線放出核種の表面汚染測定にはBF3比例計数管を使用する。 
  4. α線放出核種の表面汚染測定には端窓型GM計数管を使用する。 
  5. 表面密度限度の1/10を超えるものは管理区域からみだりに持ち出さない。 

解説

  • α線放出核種の表面密度限度は4Bq/cm2、それ以外は40Bq/cm2
  • β線放出核種の表面汚染測定にはGM計数管(ガイガーミュラーカウンタ)を使用
  • 中性子放出核種の表面汚染測定にはBF3比例計数管を使用

答え 2,5

午前 問100

X線撮影で患者の皮膚の吸収線量が低下するのはどれか。 
ただし、他の条件は一定とする。 

  1. 照射野を広くする。 
  2. 低電圧で撮影する。 
  3. 管電流を大きくする。 
  4. 付加フィルタを使用する。 
  5. 高格子比のグリッドを使用する。 

解説

選択肢4は皮膚の吸収線量が低下する
それ以外の選択肢は皮膚の吸収線量が増加する

答え 4

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