第73回診療放射線技師国家試験を解説#PM41~45

午後 問41

画像検査で腫瘤を同定できない低リスク前立腺癌の局所外部照射の治療計画で正しいのはどれか。

  1. 脊髄をリスク臓器〈OAR〉とした。
  2. 直腸をリスク臓器〈OAR〉とした。
  3. 前立腺全体を肉眼的腫瘍体積〈GTV〉とした。
  4. 前立腺に1cmのマージンを付加して臨床標的体積〈CTV〉とした。
  5. 計画標的体積〈PTV〉は臨床標的体積〈CTV〉と同じ体積とした。

解説

  • 前立腺がん治療でのリスク臓器は直腸膀胱尿道
  • 前立腺全体を肉眼的腫瘍体積とはしない
  • 前立腺がんでは一般的にCTVとGTVが等しい
  • CTVから呼吸などのマージン(Internal margin)と照射時の不正確性マージン(Setup margin)を加えたのもがPTVとなる

答え 2

午後 問42

根治を目的とした通常分割照射で総線量が最も大きいのはどれか。

  1. 喉頭癌
  2. 食道癌
  3. 前立腺癌
  4. 頭蓋内胚腫
  5. 悪性リンパ腫

解説

  • 喉頭癌:約70Gy
  • 食道癌:約70Gy
  • 前立腺癌:約78Gy
  • 頭蓋内胚腫:約50Gy
  • 悪性リンパ腫:約40Gy

答え 3

午後 問43

最も速やかに放射線治療を開始すべき症状はどれか。

  1. 食道癌による嚥下障害
  2. 骨転移による多発性の疼痛
  3. 脊椎転移による脊髄横断症状
  4. 大腿骨骨転移部位の骨折による歩行困難
  5. 肺癌胸膜病変由来の胸水貯留による呼吸困難

解説

緊急照射の適応症例を問われている
気道閉塞上大静脈症候群転移性脊髄圧迫症で適応

答え 3

午後 問44

肺癌の放射線治療について正しいのはどれか。

  1. 進行期肺癌の治癒率は80%程度である。
  2. 局所進行性の非小細胞肺癌には小線源治療が標準治療である。
  3. 早期の非小細胞肺癌には体幹部定位放射線治療の適応がある。
  4. 放射線肺臓炎は放射線治療から数年後に発症のピークがある。
  5. 肺の病巣へ放射線治療を行う場合に化学療法の併用は禁忌である。

解説

  • 進行期肺癌の治癒率はステージ1でも約75%
  • 局所進行性の非小細胞肺癌はステージによって化学療法、放射線治療、あるいは両者を組み合わせた治療が選択される
  • 放射線肺臓炎は急性期有害障害であるため、放射線治療から3ヶ月までに発症する
  • 肺の病巣へ放射線治療を行う場合に化学療法の併用を用いることがある

答え 3

午後 問45

階調処理はどれか。

  1. ボケマスク処理
  2. トレンド除去処理
  3. ヒストグラム平坦化処理
  4. メディアンフィルタ処理
  5. リージョングローイング処理

解説

階調処理はある特定の濃度域を強調したり平坦化する処理

  • ボケマスク処理は画像の高周波成分を強調する処理
  • ヒストグラム平坦化は画素値のヒストグラムが全体的に平坦になるように濃度変換する処理
  • メディアンフィルタ処理はある画素を周りの画素の濃度の中央値に変換する処理

答え 3

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