第66回診療放射線技師国家試験を解説#PM31~35

午後 問31

生体に放射線を照射すると起こる現象で、最も短時間で生じるのはどれか。

  1. 塩基損傷
  2. DNA修復
  3. 酵素の誘導
  4. アポトーシス
  5. コンプトン散乱

解説

  • 物理・物理化学的過程:被爆後短時間
  • 生化学的過程:数秒~数時間
  • 生物学的過程:数時間や数年

よって物理的過程のコンプトン散乱が最も早い

答え 5

午後 問32

γ線によるDNA損傷について正しいのはどれか。

  1. 一重鎖切断は修復されない。
  2. 二重鎖切断は細胞死に関連する。
  3. 塩基損傷は二重鎖切断より少ない。
  4. 一重鎖切断数はイオン数に等しい。
  5. 二重鎖切断の修復機構は一種類である。

解説

  • 一重鎖切断は修復されやすい
  • 二重鎖切断は細胞死に関連する。
  • 塩基損傷は二重鎖切断より多い
  • 二重鎖切断の修復機構は相同組換え修復と非相同組換え修復がある

答え 2

午後 問33

半致死線量LD50/30を被ばくしたときの主な死因はどれか。

  1. 骨髄障害
  2. 皮膚障害
  3. 呼吸器障害
  4. 消化管障害
  5. 中枢神経障害

解説

1~6Gyでは造血器官障害、6~20Gyでは消化管障害、数十Gy以上では中枢神経障害

答え 1

午後 問34

内部被ばくの原因になる天然放射性核種はどれか。2つ選べ

  1. 40K
  2. 90Sr
  3. 131I
  4. 137Cs
  5. 222Rn

解説

90Sr、131I、137Csは人工放射性核種

答え 1,5

午後 問35

国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007年勧告による、全集団に対するがんの「低線量率放射線被ばく後の確率的影響に対する損害で調整された名目リスク係数[Sv-1]」はどれか。

  1. 5.5 × 10-1
  2. 5.5 × 10-2
  3. 5.5 × 10-3
  4. 5.5 × 10-4
  5. 5.5 × 10-5

答え 2

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