第69回診療放射線技師国家試験を解説#PM81~85

午後 問81

GM計数管で試料を10分間測定したところ1.2×106カウントを得た。
この場合の真の計数率[cpm]はどれか。
ただし、この計数管の分解時間を100μsとする。

  1. 2.5 × 103
  2. 1.2 × 104
  3. 1.2 × 105
  4. 1.5 × 105
  5. 1.5 × 106

解説

10分間で1.2×106カウントなので10秒間で2×103カウントとなる
2×103 / (1 – 2×103 × 100×10-6) = 2500[cps]= 1.5 × 105[cpm]

答え 4

午後 問82

放射能の測定法でないのはどれか。

  1. 4π 計数法
  2. カロリメータ法
  3. 定立体角計数法
  4. βγ同時計数法
  5. Feather〈フェザー〉法

解説

  • 4π 計数法:4πガスフロー計数管等による放射能測定
  • カロリメータ法:放射線照射による温度上昇を測定し、吸収エネルギーを測定
  • 定立体角計数法:α線およびβ線測定に用いる
  • βγ同時計数法
  • フェザー法:連続スペクトルであるβ線の最大エネルギーを求める方法

答え 5

午後 問83

60Co γ線のエネルギースペクトルでエネルギーが最も高いのはどれか。

  1. サムピーク
  2. 後方散乱ピーク
  3. コンプトンエッジ
  4. ダブルエスケープピーク
  5. シングルエスケープピーク

解説

60Coは1.17MeVと1.33MeVのエネルギーが放出され、この2つのエネルギーを同時に計測するサムピークが2.5MeVとなる

  • 後方散乱ピーク:検出器外でコンプトン散乱を起こしエネルギーの一部を失ったγ線の全吸収ピーク
  • コンプトンエッジ:散乱角が180度の場合にコンプトン電子は最大のエネルギーを持つ
  • シングルエスケープピーク:陽電子から別れた2本のガンマ線の1本が検出器の外に逃げてしまい0.51MeV低い位置にピークができる
  • ダブルエスケープピーク:2本とも検出器外に逃げてしまうと、さらに0.51MeV低い位置にピークができる

答え 1

午後 問84

救急患者に対するX線撮影で正しいのはどれか。

  1. 頭部外傷の撮影は腹臥位で行う。
  2. 創部が露出している患者は撮影対象ではない。
  3. 異物誤飲の撮影ではおよその場所を予想して照射野を絞る。
  4. 頸椎損傷が疑われる患者のネックカラーは外さずに撮影する。
  5. 骨盤外傷の撮影では恥骨や腸骨稜を触知してポジショニングする。

解説

  • 頭部外傷の撮影は基本的には背臥位で行う(場合によっては腹臥位もある)
  • 異物誤飲の撮影では照射野を広く撮影する
  • 骨折疑いの撮影でむやみにその部位を触るのは望ましくない

答え 4

午後 問85

体表基準と脊椎の位置との組合せで正しいのはどれか。

  1. 甲状軟骨        第2頸椎レベル
  2. 胸骨柄上縁       第1胸椎レベル
  3. 剣状突起        第9胸椎レベル
  4. 肋骨弓下縁       第5腰椎レベル
  5. 恥骨結合上縁      第2仙椎レベル

解説

  • 甲状軟骨        第4頸椎レベル
  • 胸骨柄上縁       第2~3胸椎レベル
  • 肋骨弓下縁       第3腰椎レベル
  • 恥骨結合上縁      尾骨レベル

答え 3

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