第71回診療放射線技師国家試験を解説#AM36~40

午前 問36

胸水を伴った肺癌患者。身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助を要し、日中の 50%以上は就床している。
世界保健機構〈WHO〉による Performance Status〈PS〉のグレードはどれか。

  1. グレード0
  2. グレード1
  3. グレード2
  4. グレード3
  5. グレード4

解説

PS定義
0まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。
2歩行可能で、自分の身の回りのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

答え 4

午前 問37

リニアックによる電子線照射について正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 患者体表面近くで照射野を整形する。
  2. フラットニングフィルタが用いられる。
  3. モニタ線量計は複数のセグメントに分割されている。
  4. 線量分布に勾配をかける場合はウェッジフィルタを挿入する。
  5. 偏向電磁石で偏向されたビーム直径は約 2cmである。

解説

リニアックから照射されるビームは細く、強度分布にバラつきがあるためX線ではフラットニングフィルタにより平坦化され、電子線ではスキャッタリングフィルタによって均一にする

モニタ線量計を複数のセグメントに分割することで正常に動作しなくなったときのバックアップとなったり、ビームの均一度を測定することができる

答え 1,3

午前 問38

粒子線治療用シンクロトロンについて正しいのはどれか。

  1. 加速粒子はイオン源から直接シンクロトロンに入射される。
  2. 加速粒子は偏向電磁石によりビーム進行方向に加速を受ける。
  3. AVF〈Azimuthally Varying Field〉型が診療に使用されている。
  4. 加速に用いる高周波電圧の周波数は、粒子の速度に合わせて増加させる。
  5. 陽子線では最大エネルギー 400〜430MeVのビームが診療で使用されている。

解説

  • 増大する磁場を用いて荷電粒子を一定の円軌道に回転させ、その途中に高周波で加速する
  • 電子シンクロトロンでは一定の高周波で連続加速が可能
  • 重粒子シンクロトロンでは周波数を粒子の速度に合わせて増加させる

答え 4

午前 問39

腔内照射に用いられる放射性核種はどれか。2つ選べ

  1. 125I
  2. 131I
  3. 137Cs
  4. 192Ir
  5. 198Au

解説

腔内照射:192Ir、137Cs、60Co
永久刺入:198Au、125I

答え 3,4

午前 問40

放射線治療の吸収線量評価の正しさを保証するために不要なのはどれか。

  1. 線量標準の確立
  2. 第三者による線量評価
  3. 標準計測法 12に基づく線量計測
  4. 線量標準による電離箱線量計校正
  5. 電離箱線量計の擾乱補正係数の実測

解説

覚える必要は無いかと思われる

答え 5

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