第72回診療放射線技師国家試験を解説#PM26~30

午後 問26

核医学検査に用いられる放射性医薬品で正しいのはどれか。

  1. 急性放射線障害が10%程度生じる。
  2. 副作用はヨード造影剤の投与時より発現頻度は高い。
  3. 123I – IMP 投与時に苦味感や金属臭がすることがある。
  4. 放射性医薬品の副作用は主に薬理作用によるものである。
  5. 131I – アドステロールの副作用の頻度は123I – MIBG によるものより多い。

解説

  • 副作用発生率は0.003%未満となる(ヨード造影剤は軽度副作用で5%未満)
  • 99mTc製剤の副作用に口内苦味感や金属臭を起こすことがある
  • 131I – アドステロールの副作用の頻度は放射性医薬品の中で1番高い

答え 5

午後 問27

甲状腺シンチグラフィで使用される放射性医薬品はどれか。2つ選べ

  1. 99mTcO4
  2. 99mTc – MIBI
  3. 99mTc – テトロホスミン
  4. 111In – DTPA
  5. Na123I

解説

  • 99mTc – MIBI:副甲状腺シンチグラフィ
  • 99mTc – テトロホスミン:心筋血流シンチグラフィ
  • 111In – DTPA:腎動態シンチグラフィ
  • 甲状腺シンチグラフィ:99mTcO4、Na123I、Na123I

答え 1,5

午後 問28

心臓サルコイドーシスの 18F – FDG PET で正しいのはどれか。

  1. アミノ酸代謝を反映する。
  2. 運動負荷をすることが多い。
  3. 18F – FDG 投与直後に撮影する。
  4. 20時間程度の絶食が必要である。
  5. 18F – FDG 投与量は通常 37 MBq である。

解説

  • 糖代謝を反映する
  • 検査前の運動禁止
  • 投与後1時間安静にする
  • 投与量は通常185~370MBq

答え 4

午後 問29

腎動態シンチグラフィで正しいのはどれか。

  1. 99mTc – DTPA は尿細管から排泄される。
  2. 99mTc – DTPA ではレノグラム解析ができない。
  3. 99mTc – DTPA では移植腎の腎機能評価ができない。
  4. 99mTc – MAG3 では糸球体濾過率〈GFR〉を求めることができる。
  5. 99mTc – MAG3 では有効腎血漿流量〈ERPF〉を求めることができる。

解説

  • 99mTc – DTPA:
     24時間以内に糸球体から尿中に排泄される
     糸球体濾過率(GFR)が算出できる
     レノグラム解析ができる
     移植した腎臓の急性拒絶反応の診断に有効
  • 99mTc – MAG3:
     腎尿細管に高率に取り込まれ排泄される
     有効腎血漿流量〈ERPF〉を求めることができる

答え 5

午後 問30

骨シンチグラフィで正しいのはどれか。

  1. 小児では関節部の集積が高い。
  2. 骨粗鬆症の診断に有用である。
  3. 腎臓が描出されるのは異常である。
  4. ペースメーカは集積亢進像をつくる。
  5. 放射性医薬品投与1時間後から撮影する。

解説

  • 骨折部位小児の骨幹端への集積が多くなる
  • 腎臓から尿中に排泄される
  • 骨腫瘍や骨髄炎の診断に有用

答え 1

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA