第74回診療放射線技師国家試験を解説＃AM66～70

午前　問66

骨髄に2Gy被ばくしたとき、末梢血の血球で最も早く減少するのはどれか。

1. 血小板
2. 好中球
3. 赤血球
4. 好塩基球
5. リンパ球

解説

• リンパ球、顆粒球、血小板、赤血球の順で減少する
• 赤血球は最も感受性が低い
• リンパ球は最も感受性が高い
• 顆粒球はリンパ球の次に感受性が高く、一過性の増加がみられる

答え　5

午前　問67

放射線治療で生じる皮膚症状の時間的経過で正しいのはどれか。

1. 脱毛 → 表皮剝離 → 発赤 → びらん
2. 脱毛 → 発赤 → 表皮剝離 → びらん
3. 発赤 → 脱毛 → 表皮剝離 → びらん
4. 発赤 → 表皮剝離 → 脱毛 → びらん
5. 発赤 → 表皮剝離 → びらん → 脱毛

解説

• 紅斑：10日
• 一時的脱毛：3週
• 皮膚剥離：4週
• びらん：6週以降

答え　3

午前　問68

放射線による発がんで正しいのはどれか。

1. 最も発生数が多いのは膵臓癌である。
2. 最も発生率が高いのは白血病である。
3. 年齢が高くなるほどリスクは高くなる。
4. 固形がんの発生リスクは男性の方が高い。
5. 固形がんは被ばく後10年以内に発生する

解説

• 発症数は胃がん、乳がん、肺がんの順で多い
• 年齢が若いほどリスクは高くなる
• 発生リスクは女性の方が高い

答え　2

午前　問69（正答なし）

LETについて正しいのはどれか。

1. OERに比例する。
2. α線は低LET放射線である。
3. 100keV/mm前後でRBEとの関係性が変化する。
4. LETを算出するための基準となる放射線はX線やγ線である。
5. 放射線の種類やエネルギーによる生物学的影響の評価に用いられる。

解説

• LET増加とともにOERは減少
• α線は高LET放射線
• RBEを算出するための基準となる放射線はX線やγ線

答え　正答なし

午前　問70

静止していた電子を1MVの電位差で加速した。
加速された電子の運動エネルギーEと電子の静止エネルギーE₀の比（E/E₀）に最も近いのはどれか。

1. 0.5
2. 1.0
3. 2.0
4. 3.3
5. 8.2

解説

1 / 0.511 ≒ 2.0

答え　3