第70回診療放射線技師国家試験を解説#AM1~5

午前 問1

放射性壊変で正しいのはどれか。

  1. α壊変では原子核内に軌道電子が取り込まれる。
  2. 軌道電子捕獲では原子核からHeの原子核が放出される。
  3. 核異性体転移では励起状態の原子核からγ線が放出される。
  4. β+壊変では原子核内の中性子1個が陽子1個に変換される。
  5. β壊変では原子核内の陽子1個がニュートリノ1個に変換される。

解説

  • α壊変では原子核からHeの原子核(α粒子)が放出される
  • 軌道電子捕獲では原子核内に軌道電子が取り込まれる
  • β+壊変では原子核内の陽子がβ+粒子と電子ニュートリノを放出して中性子になる
  • β壊変では原子核内の中性子がβ粒子と反電子ニュートリノを放出して陽子になる

答え 3

午前 問2

99Mo-99mTcジェネレータで正しいのはどれか。

  1. 永続平衡が成立する。
  2. ミルキングによって99Moが溶出する。
  3. 親核種はアルミナカラムに保持される。
  4. ジェネレータ内で親核種の放射能は極大値を示す。
  5. 放射平衡時に99Moと99mTcの放射能は等しくなる。

解説

  • 過渡平衡が成立する
  • ミルキングによって99mTcが溶出する
  • 放射平衡時に99Moと99mTcの放射能はA2 = A1 × T1 / ( T1 – T2 ) となる

答え 3

午前 問3

蛋白質の放射性ヨウ素の間接標識法はどれか。

  1. Wilzbach〈ウイルツバッハ〉法
  2. ヨードゲン法
  3. クロラミン-T法
  4. Bolton-Hunter〈ボルトン・ハンター〉法
  5. ラクトパーオキシダーゼ法

解説

蛋白質の放射性ヨウ素の標識法は4つ

  • 直接標識
    • ヨードゲン法
    • クロラミン-T法
    • ラクトパーオキシダーゼ法
  • 間接標識
    • Bolton-Hunter〈ボルトン・ハンター〉法

答え 4

午前 問4

放射性トレーサ法について誤っているのはどれか。

  1. 測定感度が高い。
  2. 生体に薬理効果が現れる。
  3. 分離しなくても定量が可能である。
  4. 生きたままの動物で利用可能である。
  5. オートラジオグラフィで視覚的に観察できる。

解説

放射性トレーサ法は放射性物質の検出感度が極めて大きいことを利用し、目的物質の移動や分布、化学反応の過程などを調べる手法
極微量で検出可能であり、試料によっては非破壊検査リアルタイム計測が可能

答え 2

午前 問5

回転陽極X線管で焦点軌道半径を20%大きくした場合の、0.1s以下の短時間許容負荷の増加割合に最も近いのはどれか。

  1. 5%
  2. 7%
  3. 10%
  4. 13%
  5. 15%

解説

短時間許容負荷増加割合 = √(陽極回転数 × 焦点軌道半径)より
√1.2 ≒ 1.1

答え 3

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