第70回診療放射線技師国家試験を解説#PM6~10

午後 問6

X線撮影において被検者の被ばく線量低減に効果がないのはどれか。

  1. 高感度増感紙を用いる。
  2. SIDは1m以上にする。
  3. 固定式グリッドを用いる。
  4. 付加フィルタを薄くする。
  5. 可動絞りで照射野を絞り込む。

解説

付加フィルタが薄くなると透過してくるX線量が増える
固定式グリッドを用いると被ばく低減となるのは、おそらく移動式グリッドと比較した場合と思われる

答え 4

午後 問7

インバータ式X線高電圧装置の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 管電圧リプル百分率は13.4%である。
  2. 管電圧の立ち下がり時間が短縮される。
  3. 変圧器の大きさはインバータ周波数に比例する。
  4. インバータ周波数が大きいほど電磁障害対策の必要性が高い。
  5. 電源位相に関係なくX線を発生および遮断することができる。

解説

  • リプル百分率13.4%は3相6ピーク、3.4%は3相12ピーク
  • 管電圧の立ち下がり時間は変わらないはず?(間違ってたら教えてください)
  • インバータ周波数が大きいと変圧器は小型化できる

答え 4,5

午後 問8

散乱線除去グリッドの物理的特性で正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 管電圧が低いほど選択度は小さくなる。
  2. グリッド密度が高いほど選択度は小さくなる。
  3. グリッド比が大きいほど選択度は小さくなる。
  4. グリッド密度が高いほど露出倍数は小さくなる。
  5. グリッド比が大きいほど露出倍数は小さくなる。

解説

  • 管電圧が低い → 散乱線が減少 → 選択度が大きくなる
  • グリッド比が大きい → 散乱線透過率が低い → 選択度は大きくなる
  • グリッド比が大きい → 全X線透過率が低い → 露出倍数は大きくなる

答え 2,4

午後 問9

歯科領域で使用される X 線撮影装置について正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 頭部規格撮影は2倍拡大撮影である。
  2. 歯科用パノラマX線撮影ではスリットが用いられる。
  3. 口内法撮影装置の照射筒端部の直径は8cm以上である。
  4. 口内法撮影装置にはインバータ式高電圧装置を搭載した装置がある。
  5. コーンビームCTの最小ボクセルサイズは1×1×1mm3程度である。

解説

  • 頭部規格撮影は1.1倍拡大撮影である
  • 口内法撮影装置の照射筒端部の直径は6cm以下
  • コーンビームCTの最小ボクセルサイズは0.1×0.1×0.1mm3程度である

答え 2,4

午後 問10

X線CTのアーチファクトはどれか。2つ選べ

  1. リング
  2. クロストーク
  3. ケミカルシフト
  4. サセプタビリティ
  5. ビームハードニング

解説

クロストーク、ケミカルシフト、サセプタビリティはMRIアーチファクト

答え 1,5

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